年始早々のお悩みと、今年の抱負

  • 2017.01.23 Monday
  • 10:24

 

年始に、いつも通りにどこかに出かけるつもりだったのが、体調を崩して家でゆっくりしていました。

行った場所といったら、病み上がりにお正月からしばらくしてフラフラしながら、

明治神宮にいったこと、新宿御苑を散歩したことくらいか。

ちなみに、おみくじは一回で大吉でした。

 

それからここしばらく、去年のこと、さらにはこれまでの自分のあり方、音楽との関わりを考え始めたらきりがなくなり、

しきりに、ウンウンと悩んでいました。

 

 社会や環境の音楽への需要の変化をここ数年で大きく感じたこと、

一方ある意味で「変わらない」音楽を続けることの、個人としての行き詰まり感。

一人を自負して、音楽を生活を続けることで頑固になってくる、感情や習慣への自覚と焦り。

 

世の中の流れの中で、音楽のあり方の変化は見えにくいですが、

変わらないという条件内に、変わることが同時に求められていて、

 

単にその束縛から逃れようと逸脱してもダメ、

でも変わらない成長しないというのはもっとダメで取り残されます。

それは社会の切り口をどうとっても共通していることですが、

音楽をして世の中を渡ることは、間接的に遅れて結果が出てくる分、難しいかじ取りが求められていると思います。

 

 

違う話になりますが、この数年、ウィーンを中心としてヨーロッパを歩いていると、

過去の遺産への依存の危機感、新しいものを作ることの難しさを感じました。

このまま行くと100年後ウィーンの価値、もっと言えば遺産そのものが残っていないのではと考えてしまいます。

 

クラシック音楽をするということは特に、基本的にはもっぱら過去の音楽家の遺産を引っ張り出す行為であって、それを多くの人が何度もひっくり返して粉ねって見ればみるほど、その瞬間ごとに新しく再現し直されると同時に、知らないところで消耗されて、恐ろしいほどの出涸らしになっているのではないかと想像すると、とても怖くなります。

しかも、時間がたつにつれ、その音楽はより過去へと遠ざかります。

 

音楽を受け取る側も、変わらないものを求めながらも、内面ではその惰性の心地よさを求めるなかに、それに無意識にいらだちに似た感覚をため込み、その人の中で変化が起きた時に、変わらない音楽からに対してお別れをするか、距離を置くでしょう。

 

いままで自分がしてきた音楽との関わりは、自分の内側へのアプローチであって、かつ、

変わらないための音楽を自分に取り込み続けることで、その吸収を常に新しい自分として認識していました。

 

 

その過程が終わり、限界を感じたのが去年で、その意味で去年の特に前半は、自分は動いていなかった時期だったと思います。

長い間、音楽、楽器、仕事として続けることで、次第に心が音楽から離れていました。

 

去年のイザイ全曲のリサイタルは、今までの変わらない自分の音楽への限界であって、結果として自分を出涸らしへと追い込みました。

それでもその後、ちゃんとヒントはあって、不毛の旅から帰ってすっからかんになった時に、生き方への変化の渇望と共に、バロックの音楽へのアプローチが必然的にやってきました。そしてそれが、使い切ったスタンダードでなく、自分で方法を考え、生みの苦しみと、新しい結果が出たこと。オリジナリティに次第に手ごたえを感じて

 

12月のリサイタル出来は50パーセント程度でしたが、その不出来の部分が「変わらないこと」に未だ依存していたことに原因があると考えます。変わることを怠った部分で、敢えてそうしていた気もします。

 

その意味で、今回バッハの音楽は犠牲になってもらいました。違う言い方をすると、今までのバッハとお別れする儀式として必然だったのだと思います。

 

そこからモダン楽器の演奏スタイルを見直した時に、全く違うアプローチが可能なのかもしれないと気が付いたこと。

今続けている、無伴奏のリサイタルシリーズは、この分野のプログラムの範囲から全部で10回くらいかなと考えています。

まだわかりませんが。

今年は5回目6回目にあたり、ちょうど節目であって、

次回は、パガニーニのカプリーズ全曲をやろうと思っています。

そして演奏技術の新しいアプローチ、さらには自身のキャラクターの確立と魅せ方などが内在してくることを期待しています。

6回目は、古くて新しい、バロックをさらに試みること。前回手を付けたロカテッリやヴェストホーフなどもとても魅力的ですし、まだ手を付けていない何人かのヴァイオリニストたちのプログラムがあるので、そこに楽しみを予感しています。

 

幸いにも自分の楽器の為の身体は未だ健在で、テクニックに対する負荷に十分に耐えられて、いまだに少しずつ成長している気がします。それはとてもありがたい。

 

ウンウン内心悩んでいるときに、ある方に言われた言葉が確かこんなニュアンスで、印象に残っています。

 

「先生は音楽をやめないですよ、やめたらバチが当たります、罰じゃなくてバチです。」

 

人からの助言を受けることが少ない自分ですが、

私はこれをある意味、神託と思っています。

 

 

悩んだ末の今年の抱負として、抽象的ですが、

 

大きな変化を受け入れること。

それに応えられるように準備すること。力をつけること。自己変革を促すこと。

人の助言を求めること、よく話を聞くこと。

仕事に対して、人に対して、自分の生き方に対して真摯に向き合うこと。

 

 

そして、音楽をすること。

 

遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

 

 

 

 

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